LS森本鍼灸整骨院、院長の森本です。
今回は足首の捻挫についてブログを書いていきます。
足首の捻挫は、スポーツ活動のみならず日常生活においても非常に遭遇しやすいケガの一つです。
主に「靭帯」の損傷をするケガですが、子供の場合は骨密度が低いため大人の骨よりも弱く、捻挫の衝撃で「骨折」していることも少なくありません。
足首の捻挫はどちらの方向に捻ったかで、「内反捻挫」と「外反捻挫」に分類され、大部分の捻挫を「内反捻挫」が占めます。
そんな足首の捻挫ですが、ケガの中でも特に軽視されている方が多いなという印象があります。
実際当院に来院される患者様の多くは、ケガをしてから数日〜数週間ほど経ってから来院される方がほとんどです。
軽視されがちな足首の捻挫ですが、実は適切な処置や治療をおこなわないと後遺症が残りやすく、再発しやすいケガだということをご存知でしょうか?
足首の捻挫の代表的な後遺症「慢性足関節不安定症(CAI)」
足首の捻挫の代表的な後遺症に、「慢性足関節不安定症(CAI)」というものがあります。
捻挫をしたことがある方にご質問ですが、捻挫をしてから現在に至るまでに足首にこのような症状を感じることはありませんか?
□足首の関節につまり感がある
□ふとした時に、足首に痛みがある
□足首にぐらぐらした不安定感がある
このような症状がある場合、慢性足関節不安定症になってしまっている可能性があります。
- 不十分な初回の処置
- 不十分な治療
- 不十分なリハビリ
これらが考えられる原因として挙げられます。
①不十分な初回の処置
前述のとおり、捻挫は主に「靭帯」の損傷をするケガです。また、子供の場合は特に「骨折」しやすいという骨の特徴があるため、靭帯や骨の構造破綻に対して適切に固定をする必要があります。
ここでの固定はテーピングやサポーターではなく、「ギプス固定」のことを指します。靭帯が断裂して切れてしまっていたり、靭帯の付着部が裂離骨折を起こしていることを「組織の構造が破綻している」と言いますが、このような場合は足首が動かないようにしっかりと固定し、組織を修復させる必要があります。
この固定をおこなわないと、断裂した靭帯や裂離した骨の部分がしっかり修復されないので、慢性足関節不安定症になるリスクを高めます。
②不十分な治療
こちらも前述のとおり、足首の捻挫はケガの中でも軽視されがちなケガで、スポーツ現場からは「捻挫はケガのうちに入らない!!」なんて言葉も耳にします。そのため、医療機関に受診せずケガを放置する方も多いです。
あとは、捻挫の治療の際に痛いか痛くないかの「痛みの評価」のみで治療をおこなってしまうと、組織の修復がしっかりされないまま普段通り過ごしたりスポーツ復帰をすることで、慢性足関節不安定症になるリスクを高めます。
痛みがない=組織が修復された
ではないことを、十分ご理解ください。
③不十分なリハビリ
足首の捻挫をすると、バランス能力や筋力低下などを引き起こします。
そのため、それらの機能を改善するためにリハビリは必要不可欠なのです。
特にスポーツをおこなうアスリートがバランス能力や筋力低下を引き起こしたまま競技復帰すると、捻挫の再発リスクが格段にあがります。繰り返し捻挫をすることで、慢性足関節不安定症のリスクを高めるので注意が必要です。
これらは、「捻挫はクセになりやすい」といわれる理由にも繋がります。
捻挫をした際は自己判断せず、医療機関に受診ししっかり診ていただくことをオススメします。